資産形成で何を目指すのか?
資産形成で目指すところ、それは「老後までに2,000万円の資産をつくる」ことでしょうか?
「FP事務所あせっとびすだーず」がアドバイスする資産形成の姿は、そうではありません。
資産形成で目指すところは、「資産額としていくらあるのか」ではなく、「資産が生み出す不労収入がいくらあるのか」だと考えています。
どんなに大きな資産を築いたとしても、取り崩してしまえばいつかはなくなります。
人生100年時代ともいわれる、いつまで生きるかわからないリスクがある今の時代。資産を取り崩すことが前提の資産形成では、正直物足りない気がします。
「積み立てた資産を取り崩し、年々減っていく残高を見ながら、残りの人生を生きていく」、これだとストレスを感じる人生になってしまうのではないだろうか?
私たちに必要なのは、大きな資産額ではなく、死ぬまで枯れることなくずっと入ってくる収入なのではないでしょうか?
ずばり、資産額がいくらあっても、収入がなければ意味がありません。
「働かなくても入ってくる収入をつくる」。それが、私たちが目指すべき資産形成の姿なのではないでしょうか?
老後の資産形成は、公的年金にプラスアルファを目指す!
資産形成をする主な目的にもなっている老後の生活費。
その生活費を、貯蓄を取り崩して使っていくのではなく、公的年金にプラスアルファで不労収入を得て、老後の生活費をカバーしていくことを目指していきます。
簡単なイメージとして、公的年金月22万円(夫婦で)1にプラス不労収入を6万円(収入合計月28万円)という計画を考えてみます。
株式の配当金で、年3%を狙った場合。投資資産額2,400万円で株式の配当金収入が目標の年72万円(月々で割ると6万円)に届きます。
REITや高配当のETFなどを組み合わせ、年5%を狙った場合には、投資資産額1,440万円で配当金や分配金の収入が年72万円に届くことになります。
このように運用先を、インカムゲイン目的の投資先に集中させていくことによって、貯蓄を取り崩すのとは違う、年金にプラスアルファで入ってくる収入をつくることも可能になってきます。
分配金のでないインデックスファンドでの運用に頼りきりになってしまうと、このような運用法は思いもつかない投資法なのかもしれませんが、老後に向けて徐々にインカム中心の投資に切り替えていくことは悪いことではないと思っています。
- 厚生労働省 令和2年度「厚生年金保険・国民年金事業年報」の平均的な夫婦の老齢年金額 ↩︎
不労所得を増やして、経済的自由を手に入れる。
老後ではなく、現役のうちに不労収入を増やすことにだって意味はあります。現役のうちに不労収入が増えてくると、働くということに対する考え方が変わってきます。
資産形成が進み投資額が増えてくると、徐々にインカムゲイン(利息や配当金)が増えることを実感するようになります。
毎月100円程度だった配当金などが、千円単位に代わってきて、次第に万円単位を超えるようになってくる。そして10万円を超えてくるときには、おそらく仕事に対する意識が大きく変わってきているものと思います。
「お金のために、いやな仕事を受けなくてもいい。」、「今とは違う仕事にチャレンジしてみたい。」、さらには「独立して起業し、自分で事業を運営してみたい。」と思うようにもなるかもしれない。
「10万円を超える不労収入を、ほぼ確実に確保することができている」と思えるようになると、そんな話も、かなり現実的になってきます。
中には「たった10万円?」と思う人もいるかもしれません。しかし、働かないで手に入る10万円が毎月あるというのは、本当に大きい。なぜなら、あとちょっとアルバイトなどで収入を作れば、生活していくぐらいなら、なんとかなりそうな金額だからです。
「たとえこの先、失敗することがあったとしても、最低限のラインは確保できている。」そう思えるようになることが、『経済的な自由』を感じられる境目になると思うからです。
資産形成は、ただ資産額を増やすことではありません。資産形成が進むと、新しい自分の可能性を探すことにつながることもあります。
資産形成には夢がある。
だからこそ、ただ資産を増やすだけではない資産形成を、ぜひ目指してもらいたいなと思っています。