資産形成の始め方。
「資産形成を目指そう!」と思って、NISAやiDeCo、投資信託などを調べてみる。
これは、大きな間違いです。NISAなどを調べることは、資産形成ではなく資産運用の始め方です。資産形成でまず行うべきなのは、貯蓄計画、つまりは家計の改善です。
資産形成の初期では、投資による資産形成効果はそれほど大きくありません。
100万円を年利10%という高利回りで運用できたとしても、年間の利益は10万円程度です。ちょっと旅行したりお買い物をしたりしてしまえば消えてしまうような金額です。
資産運用が資産形成に大きく影響するようになるためには、それなりの金額の『投資額』が必要になります。たとえば、投資資産額が1,000万円ぐらいになって、年利10%で運用できると年間100万円の利益になります。このように投資資産額が増えることによって、投資による利益が増えてくるので、徐々に貯めることよりも資産運用の方が重要になってくるわけです。
つまりは、資産形成の初期では、「貯蓄して、投資額を増やすこと」、これが資産形成にとって一番大切なポイントになります。資産形成の初期では、投資で高リターンを目指すのではなく、いかに月々の貯蓄額を増やすかということを考えたほうが、資産形成のスピードは速くなります。
そして、貯蓄額を増やすために取り組むといいことに、『家計管理の仕組みづくり』が挙げられます。
家計管理の仕組みづくり
家計管理の仕組み作りとは、ある意味『予算化』と捉えることも出来ます。
家計に係る費用を大まかに分けて、各項目ごとに『予算化』します。
大きな項目としては、『貯蓄・消費・浪費』があります。貯蓄は、残ったものを貯蓄するのではなく、先に予算化することで上手に貯蓄できる傾向があります。
消費は、さらに細かく生活費・食費・車・住宅・教育などに分けて予算化することがあります。それぞれの予算の範囲内でやりくりするため、上手く支出をコントロールしていくことになります。
もちろん、たまに予算配分の見直しをすることも大切です。
このように、何にいくらまで使っていいのかを把握しながら支出をコントロールする方法は、貯蓄の上手い人たちによく見られる傾向でもありす。
この支出の把握の仕方を意識して行っている人もいれば、自然と本人も気づいていない内に無意識的に行っている人もいます。
他の予算化の方法としては、期間を区切って支出していい金額を決めているパターンもあります。例えば、「一日で、使ってもいい金額は?」という予算の決め方です。
この方法での予算化の考え方は、『固定費』と『変動費』です。定期的にある程度同じ金額で必ず支払うことになる費用、たとえば保険料や水道光熱費といった固定費がいくらあるのかを把握し、残りの使っていいお金を、変動費部分の支出として「一日分」を分けたりします。
この変動費部分のお金の使い道は、設定の枠内であれば消費でも浪費でもなんでもいいことになります、ただ使う金額だけは守るようにすることが大切です。たまに、設定の枠を超える大きな出費が発生することもありますが、その場合には、それ用として予算を分けておくことも有効です。
このように、予算の立て方には、人それぞれで様々な方法があります。大切なことは、「自分と家庭に合わせた予算の立て方を考える」ということです。
どんな方法であれ、なにも予算化をしていない状態だと、お金はどんどん出ていってしまいます。
「普通預金口座の残高が、気付くとだいぶ減っていた」という体験をした人は結構多いのではないでしょうか?
「いつの間に使ってしまったんだ?、正直何に使ったのかさえはっきりとしていない。」なんてこともあるのではないでしょうか?
予算化のない支出は、チャリンチャリンとどんどん出て行ってしまいます。
昔は、支払いの全てがほぼ現金であったため、『財布の中で予算化する』ことが自然と出来ていました。
しかし、今の時代は『現金という物質』が必要なくなって、クレジットカードを使ったり、普通預金口座から直接引き落としで支払われるなど、数字だけの支払いになることが一般的になっています。
そのため、今の社会は、昔よりもはるかに支出の予算化が難しくなっているように感じています。その結果、昔よりも「気づいたらなくなっている」なんてことが起こりやすくなっています。
だからこそ、『予算化と家計管理の仕組化』を考えることが、資産形成のためにより重要な事になっているわけです。
支出を予算化し、その予算を実行しやすくするための仕組化。つまりは、銀行口座やクレジットカードの使い方や使い分け。
いくら予算を立てても、すべての予算を同じ一つの口座でやりくりすることは賢い家計管理の仕組化とは言えません。銀行口座を目的ごとに使い分けるなどの仕組化をすることで、予算は実行しやすくなります。
たとえるなら、昔、現金で家計の仕組化をしていた方法で言うなら、『封筒分け』という方法です。
とにかく、管理しやすい方法で、家計の予算を管理するための仕組みを作る。これによってより貯蓄ができやすくなり、資産形成を効率的にすすめることが出来るようになります。
貯蓄から投資まで。
まとめると、資産形成のステップは、まず貯金をすること、そして投資をすること、という順番になります。
中には、すでに十分な貯金ができていて、その貯金を活かすために投資を始めるという人もいますが、これから資産形成を目指そうとしている人たちの多くが、「貯金そして投資」と言うステップを踏むことになるかと思います。
そして、貯金をより効果的にすすめるためには、『家計管理の仕組化』を始めることをお薦めします。
家計管理の仕組化とは、予算管理を行い、その予算を計画的に実行するための銀行口座や証券会社口座、クレジットカードなどの使い方を考えることです。
貯蓄が出来てきたら、本格的に投資と運用でパフォーマンスを高めることを重視していきます。徐々に貯金よりも投資と運用にシフトしていきます。
FP相談などを行っているあせっとびるだーずでは、保険の見直しなどの家計の見直し、そして家計管理の仕組などのアドバイスを行い、さらに投資や資産運用の知識とノウハウの提供及び支援を行うことで、資産形成を進めるサポートを行っております。
当社は、貯蓄から投資へのトータル的な資産形成のアドバイザーとして活動しています。