ファイナンシャルアドバイザーの存在価値?
資産形成のアドバイスを行うファイナンシャルアドバイザーというと、投資信託や生命保険の販売や仲介を行っているアドバイザーが多くみられます。
ただ、投資信託や保険の販売や仲介を目的としているFPなどのファイナンシャルアドバイザーの中には、金融商品を売ることが目的となってしまい、本当に相談者のライフプランに合っているものとなっているかどうかが疑わしい時もあると言われています。
現に、金融機関からの手数料収入がメインのファイナンシャルアドバイザーが提案している商品の多くが、そのファイナンシャルアドバイザーにとって手数料収入が高くなりやすい生命保険といった商品であることも多く見られます。
そうなると当然のことですが、「本当にファイナンシャルアドバイザーのアドバイスを受けることに、意味はあるのだろうか?」という疑念を抱いてしまうものです。
ファイナンシャルアドバイザーのアドバイスの本当の価値
先ほどのような話を聞くと、セールス中心のファイナンシャルアドバイザーの価値については、確かに疑わしいところもあるのかもしれません。
しかし、だからといってファイナンシャルアドバイザーのすべてが無意味というわけでもないようです。
現にアメリカでは、いつでもアドバイスをもらう事が出来るファイナンシャルアドバイザーを雇うことで、資産形成のパフォーマンスが上がるという話があります。
インデックスファンドで有名な資産運用会社のバンガード社の調べによれば、「有能なファイナンシャルアドバイザーのサービスを利用することで得られる付加価値は、年間およそ3%あると見積もっている。」とありました。(『富の法則 一生「投資」で迷わない行動科学の超メソッド』 ダニエル・クロスビー (著)、モーガン・ハウセル (著))
そして、その論文には、ファイナンシャルアドバイザーのサービスを利用することでパフォーマンスが上昇する3%について次のような内訳も書かれています。
・リバランス 35bps
・アセットアロケーション 0~75bps
・行動コーチング 150bps
この結果を見て意外なところは、ファイナンシャルアドバイザーのアドバイスから相談者の資産運用のパフォーマンスをあげることに最も貢献していることは、リバランスなどの投資の仕方のアドバイスやアセットアロケーションのような投資戦略のアドバイスでもなく、『行動コーチング』だという所です。
ファイナンシャルアドバイザーから受けるアドバイスの一番のポイントは、資産配分を決める『アセットアロケーション』なのではないかと思っている人はとても多いです。
ライフプランや家計などを考えて、株式や債券、不動産などへの資産配分(アセットアロケーション)を考えてもらう。これがファイナンシャルアドバイザーという専門家の腕の見せ所ではないかと思われている節がありますが、実際はそうではなかったわけです。
そして、ファイナンシャルアドバイザー自身も、相談者に対して本当にアドバイスすべき重要なところは、いかにも専門家らしく聞こえる投資先のアドバイスなどではなく、資産形成や投資、家計管理における行動への『コーチング』だということを理解している人は、とても少ないと感じています。
ファイナンシャルアドバイザーの行動コーチングが大切なわけ
資産運用や投資で失敗する最大の原因がわかれば、ファイナンシャルアドバイザーの『行動コーチング』の大切さがよくわかります。
その資産運用や投資で失敗する最大の理由は、『私たちの心』にあります。
欲や虚栄心、負けたくないと思う気持ちや、恐怖心、そういった感情によって行動を変えてしまう、行動経済学でいうところのヒューリスティックやバイアスと呼ばれるものが原因となって、自分でも信じられないような失敗を犯してしまうことがあります。
ファイナンシャルアドバイザーは、そのようなヒューリスティックやバイアスによって起こる大きな失敗を未然に防ぐためにアドバイスを行う。これが本当の意味でのファイナンシャルアドバイザーの価値なのではないでしょうか。
投資では、焦ったり、感情が高ぶったり、興奮したり、恐怖したり、そういったことで間違いを犯すことがあるものです。
そんな時に、自分とは違った視点を持っている第三者に相談することで、冷静になれることがあります。そして何よりも、自分の思考が感情に支配されている時に、いつでも相談ができたり、話し相手になってくれる存在がいると、感情に支配された思考を一度リセットすることが出来たりします。
ましてやその相手が、投資や資産形成ですでに様々な経験をしていて、それに対しての対応策などを研究してきた専門家であれば、なおさらのことです。すでに投資家として実践経験を積んできて、自分の感情によって引き起こしたさまざまな失敗を経験し、そしてその経験をばねに今も投資家として経験を積んでいる。そんなベテラン投資家に相談できれば、心強いのではないかと思います。
投資の世界では、みなが強気になっている時には弱気になり、逆にみなが弱気になっている時には強気になれという話もあります。
つまり、ファイナンシャルアドバイザーの価値というのは、相談者の高ぶっている気持ちや、弱気になっている気持ちを、いったん落ち着かせるということに、本当の価値があるのだと思われます。
それによって、大きな間違いを犯すことを避けることができ、間違いを犯さないことで、投資のパフォーマンスが上がる。
これが本当のファイナンシャルアドバイザーの存在意義なのではないかと思います。
㈱あせっとびるだーずのマネーコーチング
㈱あせっとびるだーずのファイナンシャルアドバイザーサービスは、ただライフプランを作成したり、アセットアロケーションを考えたりというだけではなく、資産形成の長期的な支援を目指しています。
投資や資産運用を行う中で、足かせとなってしまう「不安」や「悩み」を軽減するためのアドバイス。
逆に、投資に積極的になりすぎている時には、高ぶっている気持ちを抑えて冷静になれるようなアドバイス。
そういったアドバイスや知識・情報の提供を通して、堅実に資産形成ができるよう相談者に寄り添っていきたいと考えています。
あせっとびるだーずのファイナンシャルアドバイザー自身が経験してきた、数々の失敗や間違い、そしてそれに対抗するために考えた様々な対応策、さらに数々の本を読む中で学んできた、先人たちの知識や思考法、方法など。
そういうすべての知識と経験をもって、相談者の資産形成の力になれればと考えています。