ファイナンシャルプランナーが、「保険は掛け捨てで十分だ」と考える理由。

生命保険は掛け捨てで十分?

何気に、家計の中で大きな割合となっている保険料。

社会保険、生命保険、自動車保険や火災保険、合計したら恐ろしい金額になってくることもあるものです。

保険とはそもそも、万が一、どうしても自分では対応しきれない事態が起こった時に活躍してもらうためのもの。

その点では、社会保険と自動車保険などの損害保険には重要な役割があるのはわかる。

けれど、生命保険に関しては、ちょっとした入院費の保障や貯蓄などもできて、万が一の時以外のことまで対応してもらえるものも多い。

保険本来の役割から言えば、このようなものは不必要なものなのかもしれない。


生命保険の貯蓄性に注目するのであれば、他の貯蓄性商品の預貯金や投資信託といった金融商品と比較して、それでも生命保険が有利なのかどうかを判断しなければいけません。

金融商品として優れているかどうかを判断する基準としては、元本の保全性、利回り、手数料などのコスト、流動性を考える必要があります。

ちなみに、流動性とは、すぐに現金化したり、他の資産に変えたりすることができるかどうかのことを言います。


生命保険の金融商品として性質。

生命保険は、解約返戻金の範囲で元本保全性に優れている商品だと言えます。

というのも、もともと生命保険の保険料は、あまり高リスクの運用は行っていないこと、そして何より「生命保険契約者保護機構」という存在が生命保険契約のバックにはあり、もし生命保険会社が倒産しても、ある程度(80%まで)の解約返戻金は保証される仕組みがあります。


『利回り』については、預貯金よりも高めに設定されていることが多く、決して悪い条件というわけでもありません。

基本的に生命保険の利回りは、日本国債の利回りを参考に金融庁が定めている『標準利率』というものを基準に商品設計をされていることが多くなっています。

ただ、一度契約すると、その利回りが保険契約の間ずっと続く(固定利回り)ことも多く、高い金利の時に契約する場合は良いのですが、低い金利の時に契約してしまうとずっと低い利回りのままになりかねません。


ここまでは、生命保険もそれほど悪いものではなさそうなのです。

ですが、生命保険という金融商品の問題は『流動性』と『コスト』にあります。


まず、『流動性』については、はっきり言って良くない。

一度加入すると、保険契約の時に説明を受けたとおりに、簡単に解約できるものでもないこともあります。

たとえば、途中解約の場合にペナルティがあるものもあり、元本割れになるためなかなか解約に踏み切れなかったり。

保険会社に解約の連絡をすると、営業の人から解約をやめるよう説得されたり、中には新しい保険に加入することをすすめられたりすることもあるようです。そもそも電話などで解約を申し入れること自体、今の時代面倒に感じるところでもあります。

このように解約すること自体は、簡単にできるようになっていたとしても、いざ解約しようとすると、なかなか動けない壁が存在し、決して解約しやすいとは言えません。


そして生命保険の最大のデメリット、それが『コスト負担』です。

預金、貯金、投資信託、株式、いろんな金融商品がありますが、その中でも生命保険は特にコストが高い。生命保険は、払った保険料の3割近くがコストという話も聞いたことがあります。(ライフネット生命の付加保険料)

投資信託などのコストが、数%以下、中には0.何%というものもあることを考えると、生命保険は、極端にコストの高い金融商品であることがわかります。


この高いコストによって、解約時に元本割れを招いたり、何十年もかけて毎月掛けてきても、たった数%のリターンしか収益が得られなかったりすることがあるわけです。


本来の目的を果たすためだけなら、掛け捨てで十分。

「掛捨てじゃもったいない」と思うのは、ただ人の心理を利用しているだけのもので、実は、決して合理的な判断ではありません。

実際、運用目的で外貨建て保険に加入する人が多くいますが、金融庁の過去のレポートでは、外国債券と掛け捨ての生命保険を組み合わせて運用すれば、外貨建ての生命保険よりも低コストで、パフォーマンスいい運用ができるという話もありました。


運用、貯蓄、保障は分けて金融商品を利用する。

ファイナンシャルプランナー的には、この考え方をおすすめしたいです。

運用と貯蓄と保障を一緒に生命保険を利用しているけれど、いざ現金化しようと思ったら、保障はなくなるし、現金化したことで運用も終わってしまう。すべてを一緒にしてしまうと、このような問題が起こります。

別々に分けることで、使いやすさや使い勝手が良くなることもあるものです。


また、金融商品にはそれぞれに、得意分野とそれに合うような特徴があるものです。それをごちゃごちゃに混ぜたところで、結局上手く行くものでもありません。

それぞれの特徴を上手く使いながら、賢く振り分けることで、お金を賢く活用できるようにしたいものです。

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